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髪のつくり.

髪の構造

毛髪は大きく3つの層で構成されています。中心には**「毛髄質 (メデュラ)」があり、髪の芯となる部分です。その外側を「毛皮質 (コルテックス)」が包み込んでおり、この層には髪の水分や弾力を保つ成分が含まれています。また、毛皮質にはメラニン色素が存在し、この色素の量や種類によって髪の色が決まります。さらに、髪の表面は「毛小皮 (キューティクル)」**に覆われており、キューティクルが内部を守り、髪の健康を維持する役割を果たします。

メラニン色素が不足している、または完全に失われた髪が白髪です。白髪は、メラニンが生成されなくなることによって生じ、髪の色が薄く透明感のある状態に見えるのです。

髪の成長サイクル

髪の成長サイクルは、一般的に次の3つの段階で構成されています。

1. 成長期(アナゲン)
この段階は髪が積極的に成長する期間で、全体の約85~90%の髪がこの成長期にあります。成長期は個人差がありますが、通常2~6年続き、髪は毎月約1cm成長します。この期間が長いほど髪は長くなり、短い場合は髪が伸びにくい特徴があります。

2. 退行期(カタゲン)
退行期は成長が止まり、毛根が縮小し始める期間です。この期間は短く、約2~3週間続きます。髪の成長が止まり、毛根の下部が縮小して髪が頭皮から少しずつ離れていきます。全体の約1~2%の髪がこの段階にあります。

3. 休止期(テロゲン)
休止期は髪が成長を完全に止め、自然に抜け落ちる準備をする期間です。約3~4ヶ月続き、全体の約10~15%の髪がこの期間に属します。この段階で髪が抜けると、次の新しい毛髪の成長が始まります。

このサイクルが正常に機能している限り、髪は健康的に生え変わり続けます。しかし、ストレスやホルモンバランス、栄養不足、加齢などの要因によってこのサイクルが乱れると、脱毛や髪の成長の遅れが生じることがあります。

よくあるお悩み 2週間前にほかの美容室でカラーをしたばかりですが施術は受 けられますか?

ヘアカラーの施術は、前回からの期間が短くても可能です。しかし、急激なカラーチェンジを行う際には、色がうまく発色しない場合があります。たとえば、『黒染めをした後に明るい色にしたい』『暖色系から寒色系に変更したい』『白髪染めで黒く染まりすぎた髪を修正したい』といった場合は、思い通りの仕上がりにならないこともあります。また、ヘアカラーは髪に少なからずダメージを与えるため、頻繁に行うと髪や頭皮に負担がかかり、炎症を引き起こすこともあります。

そのため、ヘアカラーをした後は数日間空けてからの再施術をおすすめします。どうしても短期間でカラーをしたい場合は、その後のヘアケアが重要になります。具体的には、水素トリートメントやコーティングトリートメント、適切なホームケア用シャンプーなどを取り入れることで、髪と頭皮のダメージを軽減し、健康を保つことができます。

特に、髪がアルカリによって軟化してしまっている場合は、カット以外に修復の方法がないこともあります。髪や頭皮のケアは非常に大切なので、適切なヘアケアを継続することが求められます。もし、どうしてもカラーをしたいとお考えの場合は、事前にサロンのスタッフに相談し、最適なアドバイスをもらうことをお勧めします。

白髪を、抜くと白髪が増えるというのは本当なのか?

白髪を抜くことで白髪が増えるというのは一般的な誤解です。白髪が目立ち始めると、多くの方が気になる白髪を抜くことで対処しようとします。しかし、白髪を抜いたことが直接の原因で白髪が増えることはありません。実際には、多くの場合、そのタイミングで既に加齢による白髪の増加が始まっていることが多いです。そのため、白髪を抜くことでさらに増えて見えると感じるのではないでしょうか。

ただし、無理に白髪を抜くと毛根にダメージを与える可能性があります。毛根にダメージが加わると、毛が生えてくるペースが遅くなったり、最悪の場合には毛根が機能を失い、髪が生えてこなくなってしまうこともあります。これは、毛根が一緒に抜けてしまった場合、はげて見える原因にもなるため注意が必要です。

また、抜いた後に同じ毛根から生えてくる髪の毛は、ほとんどが再び白髪になります。白髪の対処法としては、髪を抜くのではなく、ヘアカラーやトリートメントなどで目立たなくすることを検討する方が、髪や頭皮の健康を守るためには賢明です。

白髪と黒髪の違いとはなんでしょうか?

白髪と黒髪の最も大きな違いは、**メラニン色素の「ある」「なし」**です。メラニン色素以外に関しては、髪を構成するアミノ酸やたんぱく質に大きな違いはありません。しかし、白髪がピンと立ち上がったり、より堅い印象を受けることがあるのは、メラニン色素が少ないために生じる現象です。

メラニン色素が少ないことで、毛髪を作る繊維状タンパク質の構成が変わり、よりしっかりした質感を持つ髪になることがあります。そのため、鏡を覗いた時に白髪が黒髪よりも目立ったり、しっかりした質感で硬く感じられることがあるのです。このような違いが、白髪と黒髪の見た目や質感の違いとして現れます。

白髪は何歳ぐらいからはえるのでしょうか?

白髪が生え始める年齢は個人差が大きいですが、一般的には30代前半から40代にかけて見られることが多いです。ただし、遺伝的要因やライフスタイル、ストレス、栄養状態などによって、20代で白髪が出始める人もいますし、逆に50代以降までほとんど白髪が出ない人もいます。

白髪の発生は主にメラノサイトという色素細胞の働きが弱まることが原因です。加齢とともにメラノサイトの機能が低下し、メラニン色素が十分に生成されなくなるため、白髪が生えます。また、ストレスや病気などでメラノサイトの機能が影響を受けると、若い年齢でも白髪が生えやすくなることがあります。

遺伝的要素も大きく、親や祖父母が早い段階で白髪になっていた場合、同じく早い時期に白髪が生える傾向があると言われています。

白髪が生えるのはなぜですか?

白髪が生える主な理由は、メラノサイトと呼ばれる色素細胞の働きが低下するためです。メラノサイトは、髪の毛の色を決めるメラニン色素を生成しますが、加齢やその他の要因によってメラノサイトの機能が衰え、メラニン色素が十分に作られなくなると、髪が白くなります。以下に白髪が生える主な原因を挙げます。

1. 加齢
加齢は白髪の最も一般的な原因です。年齢とともにメラノサイトの活動が衰え、メラニン色素の生成量が減少するため、髪の色が徐々に薄くなり白髪が生えてきます。

2. 遺伝的要因
遺伝が白髪の生え始める時期に大きく影響します。家族に若いうちから白髪が生える傾向がある場合、自分も早い段階で白髪が出始める可能性があります。

3. ストレス
ストレスも白髪の原因とされています。ストレスによって体内で生じる活性酸素がメラノサイトにダメージを与えるため、メラニン色素の生成が減少することがあります。これにより、白髪が増えることがあります。

4. 栄養不足
特にビタミンB群や亜鉛、銅などの栄養素は、健康なメラノサイトの活動を支えるために必要です。これらの栄養素が不足すると、メラニン生成が低下し、白髪が増えることがあります。

5. ホルモンバランスの変化
ホルモンの変化や乱れも、白髪が増える原因になることがあります。例えば、甲状腺の異常や加齢によるホルモン変化が、メラノサイトの活動に影響を与えることがあります。

6. 病気や健康状態
特定の病気や健康状態も白髪の原因となることがあります。自己免疫疾患や貧血、アルビニズム(先天性白皮症)などがその一例です。

これらの要因が組み合わさり、白髪が生えやすくなることがあります。










髪にも栄養が必要なのか?

髪の健康には、からだの内と外からの補給が大切です。
毛髪もからだの一部ですから、美しい髪の健康を保つためには栄養の補給は大切です。そのためには、外からのヘアケア成分とともに内側からの補給としてバランスのとれた食事も必要です。
髪の健康状態と栄養については、下記の関連リンクのページで詳しくご紹介しています。

白髪(白髪)とは

白髪とはメラニン色素をほとんど含まず、白く見える髪のことです。加齢、ストレス、遺伝などが関係するとされてますが、詳しいメカニズムは分かっていません。

髪質 (かみしつ)

髪質とは、毛髪の硬さや太さ、ウェーブのかかり具合などの性質をいいます。人によってさまざまな髪質があり、ヘアカラーなどの染まり方に影響を与えるため、まず自分がどんな髪質かを把握することが大切です。

白髪は抜いたら増える?

白髪を抜いても、白髪自体が増えることはないとされていますが、白髪のケア方法には注意が必要です。白髪が気になって思わず抜いてしまう方もいるかもしれませんが、繰り返し抜くことで髪や頭皮に負担がかかり、後々髪の健康に影響を与えるリスクがあるのです。

まず、白髪は年齢とともに誰にでも現れるもので、髪の毛の根元にあるメラノサイトと呼ばれる細胞の働きが低下することが主な原因です。メラノサイトは髪の色素であるメラニンを生成する役割を担っていますが、加齢や遺伝、ストレス、生活習慣などの要因でこの働きが弱まると、メラニンが十分に供給されずに色素が失われ、白髪として生えてくるのです。こうして生えた白髪は、抜いたからといって増えるわけではなく、メラノサイトの働きによって自然に生え変わるものです。そのため、「白髪を抜くと増える」というのは誤解であり、科学的には根拠がありません。

しかし、白髪を抜くことが白髪を直接増やさないとしても、習慣的に抜く行為は髪や頭皮に悪影響を及ぼす可能性があります。髪の毛は、頭皮の奥にある毛球と呼ばれる部分で成長が促されています。毛球は毛根の一部であり、髪が成長するための細胞分裂が行われる重要な場所です。白髪を頻繁に抜くと、毛球が物理的に引っ張られてダメージを受け、細胞の働きが鈍くなったり、傷ついた毛球から生える髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。さらに、毛球に蓄積されたダメージが大きくなると、髪が生えてこなくなる恐れもあります。これは、毛根の細胞がダメージを受けて機能しなくなることで脱毛症のような状態を引き起こすリスクを高めることに繋がります。

また、白髪を抜くことにより頭皮に炎症や毛穴のトラブルが生じる場合もあります。髪を抜くと毛穴が傷つき、そこに雑菌が入ると炎症が起きやすくなります。頭皮に小さな傷が増えると、炎症が慢性化したり、皮脂分泌の乱れや毛穴の詰まりが発生しやすくなります。このような頭皮トラブルは、髪の健康だけでなく、頭皮全体の環境を悪化させる要因となります。

白髪が気になる場合は、無理に抜くのではなく、頭皮と髪に優しい方法でケアすることが大切です。例えば、白髪専用のファンデーションやスティックタイプのカラーで手軽に隠す方法や、サロンで定期的にリタッチカラーや白髪ぼかしを行うことで、白髪が目立ちにくくすることができます。最近では髪や頭皮に優しい成分で作られた白髪染めも増えているため、ダメージを抑えながら白髪をカバーできる選択肢が豊富です。

さらに、白髪の予防や進行を遅らせるためには、生活習慣の改善も重要です。十分な睡眠をとり、バランスの良い食事を心がけることで、髪や頭皮の健康が保たれやすくなります。特に、髪の成長に必要なビタミンB群や亜鉛、アミノ酸を多く含む食品を摂取すると、頭皮の状態が整いやすくなり、髪の色素細胞の働きもサポートされます。ストレスも白髪の一因とされているため、適度な運動や趣味の時間を取り入れることで、リラックスを心がけることも効果的です。

最後に、白髪が生え始めることは自然な加齢の一部であり、健康な証とも言えます。白髪を隠すことも一つの方法ですが、自分らしいスタイルとして白髪を受け入れることも一つの選択肢です。白髪を生かしたヘアスタイルも年齢を重ねた魅力を引き出してくれるため、無理に白髪を抜くのではなく、上手にケアやスタイリングをして楽しむこともおすすめです。

髪の構造・髪は、キューティクル、コルテックス、メデュラでできている

1本の髪は、大きく分けると3つの部分からなり、一番外側をキューティクル、中間部をコルテックス、中心部をメデュラといいます。
化学的な構成成分は、大部分がタンパク質であり、残りは脂質、メラニン色素などです。毛髪のタンパク質は、シスチンというアミノ酸が多いのが特徴です。

髪の構造・キューティクル

半透明のうろこ状のものが平たく4~10枚重なって、髪の内部組織を守る働きをしています。キューティクルは、濡れていると柔らかいため、特にこすれることによって、欠けたりはがれたりして、毛先ほどキューティクル枚数が少なくなっています。

キューティクル1枚も多層構造です(図参照)。
エンドキューティクルは柔らかく水で膨潤しやすい性質で、水、ヘアカラー、パーマ剤などの通り道になります。
キューティクルとキューティクルの境界には細胞膜複合体(CMC)があり、そこに脂質成分MEA(18-メチルエイコサン酸)が存在します。健常な毛髪では毛髪表面を、このMEAがおおっています。

MEAが髪全体に占める割合はわずか0.1%未満ですが、ミンクの毛にもあり、毛髪表面の摩擦を低減してまとまりをよくする働きがあり、髪のツヤや手触りを左右しています。ただし紫外線やヘアカラー(ブリーチ)で失われやすく、1回のヘアカラー処理で80%が失われてしまいます。しかも、MEAはトリートメントなどに単純に配合するだけでは、毛髪表面に定着させることはできません。

髪の構造 ・コルテックス

髪の85~90%を占めるコルテックスは、繊維状の束とそれを取り巻く構造でできています。
この部分のタンパク質・脂質の構造や水分量が、髪の柔軟性や太さに影響します。また、メラニン色素は主にこの部分に含まれていて、その種類と量によって、髪の色が決まります。(参照:髪の色)

髪の構造・メデュラ

髪の中心にあるメデュラは、やわらかいタンパク質による網目状あるいは多孔質構造で、ダメージを受けると多孔質構造の割合が増加します。
働きはよくわかっていませんが、膨潤や収縮する際の緩衝スペースや、大きな空洞を有する動物の毛では断熱効果に役立っていると考えられています。

髪の色は、メラニン色素の種類と量で決まる

生まれつきの地毛の色は、主にコルテックスと呼ばれる髪の内部の層に存在するメラニン色素の種類と量によって決まります。メラニン色素には大きく分けて2種類あり、ひとつはユーメラニン、もうひとつはフェオメラニンです。ユーメラニンは黒褐色系の色素で、髪に深い色合いを与えるのに対し、フェオメラニンは黄赤色系の色素で、明るい色味を加えます。

ユーメラニンが多く、メラニンの総量が多い髪は黒髪として生まれ、深い色合いと強い色味が特徴です。一方、メラニンの総量が少ない場合、フェオメラニンが主に影響し、髪がブロンドや明るい色味となります。こうした違いにより、髪色は黒から茶、ブロンドまでさまざまに変化します。

また、白髪は、ユーメラニンとフェオメラニンのいずれのメラニンもほとんど含まない状態です。加齢や遺伝、環境要因などによりメラニンの生成が低下し、色素が失われることで、髪が白く透明感のある色に変わります。このように、髪の色はメラニンの種類と量の違いによって決まるのです。

メラニン色素はメラノサイトでつくられ、毛母細胞に渡される

メラニン色素は、メラノサイト(色素形成細胞)でつくられます。メラノサイトは毛髪組織の元となる毛母細胞と隣り合って、毛球部に存在しています。毛母細胞が細胞分裂して髪がつくり出される際に、メラノサイトからメラニン色素が受け渡され、髪に取りこまれます。

白髪になるのは、メラニン色素が毛母細胞に渡されなくなるから

白髪になる原因は、メラニン色素が毛母細胞に渡されなくなるためです。通常、メラノサイトという色素細胞がメラニン色素を生成し、それを毛母細胞に供給することで髪の色が決まります。髪の毛はこのメラニン色素を取り込んで色を持つのですが、加齢やその他の要因によりメラノサイトの働きが弱くなったり、メラニン生成が減少したりすると、毛母細胞にメラニン色素が十分に供給されなくなります。その結果、髪が色素を失い、白く見えるようになります。

このプロセスが進むと、メラニン色素を含まない髪の毛が生え、白髪として成長することになります。要因としては、加齢、遺伝、ストレス、栄養不足、ホルモンバランスの変化などが影響を与えています。

髪の太さと断面の形

髪の太さと断面の形は、髪質や見た目、手触りなどを決定づける要素です。以下にそれぞれの詳細を説明します。

1. 髪の太さ
髪の太さは個人差があり、一般的に遺伝によって決まります。太い髪は硬く、しっかりとした質感がありますが、細い髪は柔らかく、ボリュームが出にくい特徴があります。髪の太さは、頭髪の種類や人種によっても異なり、アジア人の髪は一般的に太くて直毛、欧米人の髪は細くて波状毛が多い傾向にあります。

2. 髪の断面の形
髪の断面の形は、髪質のタイプを決定づける要素で、髪のストレート感やカール感に影響を与えます。主な断面の形は以下の通りです:

円形(丸い断面):断面がほぼ円形の髪は、一般的にストレートヘアになります。このタイプは日本人やアジア人に多く見られます。髪が直毛でしっかりしているため、光沢が出やすいのも特徴です。

楕円形:断面が楕円形に近い髪は、波状毛や軽くうねった髪になります。このタイプは欧米人に多く、柔らかい質感が特徴です。髪がカールしやすいですが、クセの強さは楕円の度合いによって異なります。

扁平形(平べったい断面):断面がさらに平べったくなると、髪は強いカールや巻き毛になります。アフリカ系の方に多く見られる特徴で、髪が強く縮れて見えることが一般的です。髪の保湿が難しく、乾燥しやすいのもこのタイプの特徴です。

これらの特性は、髪の太さと断面の形状が複合的に影響して、髪質を決定します。したがって、髪質に合ったケアやスタイリング方法を選ぶことで、髪の健康と美しさを維持することができます。

キューティクルの構造

日本人の髪は、欧米人の髪に比べてキューティクルが1枚1枚厚く硬めで、重なりが密になっているという特徴があります。これは、日本人の髪が太く、しっかりとした構造を持つため、髪全体が丈夫でしっかりした印象を与える一因です。しかし、これと同時に、日本人毛のキューティクルは大きくはがれやすいという特性も持ち合わせています。

キューティクルは髪の保護層として重要な役割を果たし、髪の内部の水分や栄養を保持し、外部からのダメージを防ぐ働きがあります。しかし、日本人の髪ではこのキューティクルがはがれやすいため、髪が傷みやすく、ダメージが進行しやすいという欠点もあります。キューティクルがはがれてしまうと、髪の内部がむき出しになり、外部の刺激によって乾燥やダメージが進行しやすくなります。

このため、日本人の髪には特に適切な保湿ケアやキューティクルを保護するケアが必要です。髪を乾かす際に高温を避け、トリートメントや保湿剤を活用することで、キューティクルの損傷を防ぎ、髪の健康を保つことが大切です。

髪の色

髪の色は、2種類のメラニン色素、すなわち**ユーメラニン(黒褐色系)とフェオメラニン(黄赤色系)**の比率と総量によって決まります。これらの色素がどのように混ざり合っているかが、髪色の明暗や色味を決定します。

ユーメラニンが多く、メラニンの総量も非常に多い場合、黒髪となり、深くて濃い色が特徴です。反対に、メラニンの総量が少ない髪は、光を多く反射して明るく見えるため、ブロンドの髪になります。これらの間に位置する髪色が、栗色などの中間色です。栗色の髪は、ユーメラニンとフェオメラニンがバランスよく存在するために、豊かな色合いを持っています。

また、赤色系の髪は、フェオメラニンが多く含まれているのが特徴です。フェオメラニンは黄赤色系の色素を持っているため、この色素が豊富な場合は赤みを帯びた髪色になります。髪色は、この2種類のメラニン色素の組み合わせと量によって、多様な色調を生み出しています。

髪の寿命は約4~6年

髪の毛は、1日に約0.3ミリ、1カ月で約1センチ、1年で約15センチ伸びます。個人差はあるものの、髪は約4~6年間成長を続けた後、自然に抜け落ちて新しい髪と入れ替わるサイクルを繰り返しています。これをヘアサイクルと呼びます。

ヘアサイクルは、髪の成長から抜け落ちるまでの一連の周期であり、大きく3つの段階に分かれます。最初の段階は成長期で、髪のほとんどがこの期間にあたり、髪の毛を作り出す毛母細胞が活発に分裂し、髪が長く、また太く成長します。成長期が長いほど、髪の毛はよりしっかりと成長し、毛髪全体のボリューム感も増します。この成長期の長さは遺伝や体調によって異なり、4~6年続くことが一般的です。

次に退行期に入ります。退行期は2~3週間続き、この間に毛母細胞の活動がゆるやかになり、髪の成長が次第に止まります。そして、髪が成長を完全に終える休止期に移行します。休止期は数カ月続き、この間に毛根の位置が浅くなり、髪の根元がしっかりと頭皮に固定されなくなります。休止期が終わりに近づくと、毛根の奥で新たな髪が成長を始め、既存の髪を押し出すようにして、洗髪やブラッシングの際のわずかな力でも自然に抜け落ちるようになります。

この一連のヘアサイクルによって髪は生え変わりを続けており、成長期、退行期、休止期が繰り返されることで、髪が抜けても新しい髪が生える仕組みが保たれています。ヒトの毛髪は1本1本が独立してヘアサイクルを持っており、各毛髪が異なるタイミングで成長や脱毛を行うため、髪が一度に大量に抜け落ちることは通常ありません。このため、脱毛が目立つことなく、日常的に平均して約50~100本程度の髪が自然に抜けることが一般的です。

健康なヘアサイクルを保つためには、生活習慣の改善や頭皮環境を整えることが重要です。栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、ストレス管理などが、毛母細胞の分裂を促し、成長期を長く保つ手助けとなります。

太さやかたさはコルテックスできまる

髪の太さやかたさは、髪の大部分を占めるコルテックスの量で決まります。コルテックスの量が多いと髪は太く、少ないと細い。多くの場合、太い髪は細い髪より曲がりにくいため、かたく感じられる傾向があります。

コルテックス細胞が偏って分布して曲がったりねじれたりする

毛髪内部のコルテックス細胞には、少なくとも2つの種類があります。この2種類は細胞内部の構造や組成が異なり、硬さも少し違います。断面で見ると、直毛は2種類の細胞の分布の偏りがなく、細かくモザイク状または同心円状に分布しているのに対し、くせ毛はこれらの細胞が偏って分布していて、その偏りが大きいほどくせが強いことがわかりました。毛髪はオルト様コルテックスが外側になるように曲がったりねじれたりして、くせやうねりになるのです。

毛根の形状

毛根が真っ直ぐな形状をしていても、細胞分布が偏っている場合、髪は曲がる性質を持ちます。髪の構造において、内部の細胞の分布や密度が不均一であると、髪の成長中に歪みが生じ、その結果、髪はまっすぐではなく曲がった形状になります。

一方、非常に強いくせ毛として知られるアフリカンヘアなどの場合、毛根自体が曲がった形状をしていることが確認されています。毛根が曲がっていると、髪が生えてくる際にその形状に従って自然と曲がり、縮れたり強くうねったりするようになります。これは、髪の根元からの生え方がすでにカーブしているため、髪全体がうねりや縮れを持った形状で成長するのです。

このように、毛根の形状と細胞分布の違いが、髪の形状を決定する要因として大きく関わっています。真っ直ぐな毛根でも細胞の分布の偏りがあればくせ毛になり、曲がった毛根では生え始めから髪が強く曲がった形状をとります。

髪のくせはダメージやエイジングで変化する

人種によって、髪の形状はさまざま。日本人は直毛の多い民族ですが、もちろん個人差もあり、直毛とくせ毛が混じっている人も多く見られます。
一般的にくせ毛は遺伝するといわれていますが、正確に遺伝を証明した研究はなく、経験的に遺伝ではないかといわれています。
また、髪の形状は一生変わらないというわけではありません。子供の頃は直毛だったのに思春期や妊娠期にくせが出たり、逆にくせ毛がまっすぐになったり、相互に変化する事例もあります。

花王の研究では、ダメージやエイジングによってくせやうねりが増加することが確認されています。
くせやうねりのある毛髪をヘアカラー施術すると、2種類のコルテックス細胞の分布は変わらないのですが、内部の偏りが大きくなることで、くせやうねりが強まる傾向です。
また年齢とともに不規則にうねった毛髪の割合が徐々に増加する傾向です。10-20代よりも、30-40代、さらに50-60代がより多い傾向です。これが、年齢とともに髪のツヤやなめらかさが低下する原因のひとつで、「若い時のようなきれいなストレートにならない」という意識実態につながっています。(参照:エイジングによる髪の変化)

髪は毛根でつくられる

髪は、地肌から出ている部分を毛幹、地肌の中に埋まっている部分を毛根と呼びます。毛根の一番奥には毛球と呼ばれる部分があり、ここで髪のもととなる毛母細胞が活発に分裂・増殖しています。毛母細胞は、毛乳頭からの栄養と指示を受けて増殖し、各部位に分化した後に角化し、最終的に髪の毛(毛幹)として地肌から押し出されます。

毛髪(毛幹)は、地肌から出た時点で死んだ細胞となりますが、毛母細胞が活発に分裂を続けることで押し出されるように伸びていきます。1年間でおよそ10cm以上伸び、特に長い髪では6年以上成長を続けることもあります。

一方、毛根は胎児のときに形成され、その数は生まれてから一生ほぼ変わりません。

髪は死んだ細胞が押し出されて伸びる

肌の表皮は約4~6週間で新しく生まれ変わるのに対し、髪は一度できた構造のまま押し出されて伸び続けます。そのため、髪には自己修復の機能がなく、一度傷むと自然に元に戻ることはありません。また、髪には痛みを感じる神経がないため、過度な負担をかけてしまうこともありますが、ダメージは毛先に向かうほど蓄積されやすくなります。

このため、髪はなるべく傷めないようにすることが大切で、もしダメージが生じてしまった場合は、丁寧にお手入れをして傷みを進行させないようにケアすることが重要です。

表面反射光による天使の輪

キューティクルの表面で反射する光のことを表面反射光といいます。この光が、頭頂部付近の髪表面に広く、連続して美しく反射されると、**「天使の輪」**と呼ばれる白い輝きがくっきりと見える現象が生まれます。この「天使の輪」は、健康でツヤのある髪の象徴とされ、髪が整っていることで光が均一に反射され、自然な美しさが際立つ効果をもたらします。

背面反射光

毛髪内部に入った光が毛髪の背面で反射して戻ってくる光は、メラニン色素やヘアカラーの色素が反映された光として見えます。この光は「背面反射光」とも呼ばれ、キューティクルにわずかな傾斜があるため、表面で反射する光(表面反射光)の隣に現れます。通常、背面反射光は髪の色素が少ない場合によく見えるため、明るめの髪色やブリーチ後の髪で確認しやすく、メラニン色素が豊富な黒髪ではほとんど見えないのが特徴です。

背面反射光によって髪の奥行きや透明感が強調され、光が入る角度によって色の見え方が変わるため、髪に立体感や柔らかなニュアンスが生まれます。

毛髪1本1毛髪1本1本のツヤに影響する要素のツヤに影響する要素

髪内部に空洞が増えると、髪に含まれるタンパク質や脂質、メラニン色素が流出してしまい、髪の内部に空間が生じます。この空洞に光が入り込むと、光が内部で散乱しやすくなり、メラニン色素やカラーリング剤の色がうまく反映されません。その結果、髪は白っぽく見えたり、透明感や立体感が失われ、平面的でツヤのない印象になります。この現象は、気泡や不純物を含む氷が透明でなく白く見える原理と同じです。

さらに、キューティクルが傷んで表面が荒れていると、髪の表面で光が反射する方向がばらつき、反射光が弱まります。ツヤがある健康な髪に見られる「天使の輪」がぼやけ、輝きも低下してしまいます。また、表面のキューティクルがデコボコしていると、毛流れが揃いにくくなるため、髪全体のツヤも失われがちです。

髪の内部と表面の健康を保つことが、ツヤと立体感を維持するためには重要です。

毛流れがそろっているとつややかにみえる

毛流れが整っていると、髪の表面で反射する光がきれいに並び、ツヤや「天使の輪」が見えやすくなり、髪に立体感や動き、ウェーブが際立ちます。一方、毛流れが乱れていると、反射光がばらついてしまい、ツヤや立体感が弱く見えてしまいます。さらに、浮毛や細かなうねり毛がばらばらに表面に出ていると、光が様々な方向に散乱し、全体的に白っぽく見えたり、髪の質感がぼやけて見えることがあります。

毛流れが整わない原因には、以下のような要因が考えられます:

髪のダメージやしなやかさの低下
髪の表面が傷んでいると、滑らかさが失われ、毛流れが乱れやすくなります。特に乾燥やダメージがある髪は、毛流れが整いにくく、ツヤが出にくくなります。

うねり毛やくせ毛の影響
天然のうねりやクセがあると、髪の流れがばらつきやすく、光が乱反射しやすくなります。これにより、全体のツヤ感やまとまりが低下することがあります。

スタイリングや乾かし方の影響
髪を乾かす際に毛流れを整えていないと、キューティクルが乱れやすく、毛流れがバラバラになります。正しい乾かし方やスタイリングを心がけることで、毛流れが揃いやすくなり、ツヤや立体感を引き出すことが可能です。

これらの原因を改善するためには、髪の保湿ケアやダメージケア、または毛流れを意識したドライ方法やスタイリングを取り入れることが効果的です。髪にツヤと立体感を保つため、毎日のケアと乾かし方に工夫を取り入れてみましょう。

パサつきとは、毛流れが揃わずバラバラな状態

見たり触ったりして髪がパサついていると感じるとき、水分や油分が足りないことが主な原因だと考えられがちですが、それだけではありません。毛流れを整えてしっかりと乾かすことも、髪の手触りや見た目の質感に大きく影響します。

髪を乾かすときに毛流れを意識しながらドライヤーを使用することで、キューティクルが整い、髪表面が滑らかになりやすくなります。これにより、髪の手触りが良くなり、パサつき感が減り、髪にツヤが生まれます。しっかりと毛流れを整えて乾かすことで、ヘアスタイルの仕上がりが美しくなり、その状態が長持ちします。

ただ髪を乾かすのではなく、毛先から根元に向けて整えるように乾かすことで、手触りが滑らかになり、髪全体のまとまりもよくなるので、パサつきを防ぎ、長く美しい状態を保つことができます。

白髪が分け目に目立ってきた時、どうしたら良いのでしょうか?

白髪が気になる方におすすめの隠し方として、以下のような方法があります。

白髪ファンデーションなどを使用して隠す
手軽に使える白髪ファンデーションやスティックタイプのカラー剤を使うと、白髪をさっとカバーすることができます。外出前にさっと使えるので便利です。

分け目を少しずらしてみる
白髪が目立つ分け目を少しずらすだけでも、気になる部分が隠れやすくなります。

分け目を逆サイドに変えてみる
今までの分け目を逆にすることで、白髪が新しい毛流れに隠れ、目立たなくなります。

分け目をジグザグにしてぼかすようにする
分け目をジグザグにすることで、根元の白髪が自然にぼかされ、均一な分け目よりも白髪が目立ちにくくなります。

これらの方法を試してみることで、白髪が気になりにくい自然なスタイリングが可能です。