髪のつくり.
- 髪の寿命は約4~6年
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髪の毛は、1日に約0.3ミリ、1カ月で約1センチ、1年で約15センチ伸びます。個人差はあるものの、髪は約4~6年間成長を続けた後、自然に抜け落ちて新しい髪と入れ替わるサイクルを繰り返しています。これをヘアサイクルと呼びます。
ヘアサイクルは、髪の成長から抜け落ちるまでの一連の周期であり、大きく3つの段階に分かれます。最初の段階は成長期で、髪のほとんどがこの期間にあたり、髪の毛を作り出す毛母細胞が活発に分裂し、髪が長く、また太く成長します。成長期が長いほど、髪の毛はよりしっかりと成長し、毛髪全体のボリューム感も増します。この成長期の長さは遺伝や体調によって異なり、4~6年続くことが一般的です。
次に退行期に入ります。退行期は2~3週間続き、この間に毛母細胞の活動がゆるやかになり、髪の成長が次第に止まります。そして、髪が成長を完全に終える休止期に移行します。休止期は数カ月続き、この間に毛根の位置が浅くなり、髪の根元がしっかりと頭皮に固定されなくなります。休止期が終わりに近づくと、毛根の奥で新たな髪が成長を始め、既存の髪を押し出すようにして、洗髪やブラッシングの際のわずかな力でも自然に抜け落ちるようになります。
この一連のヘアサイクルによって髪は生え変わりを続けており、成長期、退行期、休止期が繰り返されることで、髪が抜けても新しい髪が生える仕組みが保たれています。ヒトの毛髪は1本1本が独立してヘアサイクルを持っており、各毛髪が異なるタイミングで成長や脱毛を行うため、髪が一度に大量に抜け落ちることは通常ありません。このため、脱毛が目立つことなく、日常的に平均して約50~100本程度の髪が自然に抜けることが一般的です。
健康なヘアサイクルを保つためには、生活習慣の改善や頭皮環境を整えることが重要です。栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、ストレス管理などが、毛母細胞の分裂を促し、成長期を長く保つ手助けとなります。