ヘアカラーリング剤の種類.
- ヘアカラーとブリーチの違い
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ヘアカラーとブリーチ剤は、共に髪の色を変えるために使用される美容製品ですが、その作用機序や目的に大きな違いがあります。ここで、それぞれの特徴と違いについて詳しく解説しましょう。
ヘアカラー
ヘアカラーは、髪に色を付けることを目的とした製品です。一般的に、ヘアカラーには「永久染毛剤」と「半永久染毛剤」の二種類があります。永久染毛剤は、髪のメラニン色素を部分的に除去した後、新たな色を髪の内部に定着させます。このタイプのヘアカラーは洗髪しても色が落ちにくいのが特徴です。一方、半永久染毛剤は髪の表面に色をコーティングする形で作用し、数回の洗髪で色が落ちていきます。
ブリーチ剤
ブリーチ剤(脱色剤)は、髪からメラニン色素を除去し、髪を明るくするために使用されます。ブリーチ剤を使用すると、髪の自然な色が抜け、金髪から白に近い色まで、様々な明るさの髪色に変化します。ブリーチは色を付けるのではなく、色を抜くことが目的であるため、その後に希望の色を入れるためのヘアカラーを施すことが一般的です。
ヘアカラーとブリーチ剤の主な違い
目的:
ヘアカラー:髪に新たな色を付ける。
ブリーチ剤:髪の色素を除去し、髪を明るくする。
作用機序:
ヘアカラー:髪のメラニン色素を部分的に除去したり、髪の外部に色を付けたりします。
ブリーチ剤:髪のメラニン色素を強力に除去し、髪を脱色します。
使用後の髪の状態:
ヘアカラー:希望の色に染め上げることができますが、髪へのダメージは比較的少ないです。
ブリーチ剤:髪を明るくできますが、髪へのダメージが大きいです。
持続性:
ヘアカラー:永久染毛剤では長期間、半永久染毛剤では短期間色が持続します。
ブリーチ剤:脱色した髪の色は、その後のヘアカラーで上書きするまで持続します。
ヘアカラーとブリーチ剤は、それぞれに適した使用目的があります。ブリーチを使用する際には、髪へのダメージが大きいため、事前にしっかりと髪のコンディションを整えたり、使用後は髪のケアに十分注意することが重要です。また、どちらの製品も正しく使用することで、希望の髪色を美しく表現することができます。 - ヘアカラーリング剤には5つの種類
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ヘアカラーリングにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴や持続性、目的に応じて選ぶことができます。ここでは、主に使われるヘアカラーリングの5つの種類について紹介します。
1. 永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)
特徴:髪のメラニン色素を除去し、新しい色を髪に定着させます。一度染めると、髪が伸びてきた部分以外はその色が持続します。
利用シーン:白髪を隠したい場合や、根本的に髪色を変えたい場合に適しています。
2. 半永久染毛剤(セミパーマネントヘアカラー)
特徴:髪の外部に色を付けるだけで、髪の内部の構造を変えません。数週間で徐々に色が薄れていきます。
利用シーン:自然な髪色に近い色に染めたい場合や、頻繁に色を変えたい場合に向いています。
3. 一時的染毛剤(テンポラリーヘアカラー)
特徴:シャンプーで簡単に洗い流せるタイプのヘアカラーで、イベントや特別な日のために一時的に髪色を変えたいときに使います。
利用シーン:コスプレやパーティーなど、短期間で色を楽しみたい時に適しています。
4. ハイライト・ローライト
特徴:髪の一部分にのみカラーリングを施し、髪全体に立体感や深みを出します。ハイライトは明るい色を、ローライトは暗い色をそれぞれ加える技法です。
利用シーン:髪にメリハリをつけたい、動きを出したい場合に向いています。
5. ブリーチ(脱色)
特徴:髪の自然な色素を化学的に除去し、明るい髪色にするための処理。ブリーチ後に、別の色を上から入れることで様々なカラーリングが可能になります。
利用シーン:鮮やかなカラーや明るい色に染めたい場合、特にダークな髪色から大幅に色を明るくしたいときに必要です。
これらのヘアカラーリング方法を理解することで、自分の求める髪色やスタイルに合わせて最適な選択が可能になります。ただし、どの方法も髪や頭皮にダメージを与える可能性があるため、製品の選定や施術には注意が必要です。特にブリーチは髪へのダメージが大きいため、プロの美容師に相談することをお勧めします。
- ヘアカラー(永久染毛剤)【医薬部外品】
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永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)は、髪の色を長期間変更できるヘアカラーリング製品です。このタイプの染毛剤は、髪の内部に深く浸透し、メラニン色素を化学的に変化させることで色を変えます。では、パーマネントヘアカラーの特徴、メリット、デメリットについて見ていきましょう。
特徴
色の持続性:パーマネントヘアカラーは、名前の通り永久的に色が持続します。色は新しい髪が生えてくるまで、または別の色で染め直すまで変わりません。
白髪のカバー:完全に白髪をカバーし、均一な色に染め上げることができます。
色の変更幅:ダークな髪色からライトな髪色への変更も可能ですが、これには事前のブリーチ(脱色)が必要な場合があります。
メリット
長期間色が持続する:頻繁に染め直す必要がないため、手間とコストを節約できます。
幅広いカラーバリエーション:豊富なカラーバリエーションから選ぶことができ、個性的な色も選べます。
白髪をしっかりとカバー:均一で自然な仕上がりになり、白髪を気にすることなく髪色を楽しめます。
デメリット
髪へのダメージ:化学反応により髪の内部構造に変化を及ぼすため、髪が傷みやすくなります。
頭皮への刺激:使用する化学物質によっては、頭皮に刺激を感じることがあります。敏感肌の人は特に注意が必要です。
色の変更が困難:一度パーマネントカラーで染めると、色を抜くためには再度ブリーチをするなど、髪に負担をかける処理が必要になることがあります。
使用する際の注意点
パッチテストの実施:アレルギー反応を避けるために、使用前に必ずパッチテストを行いましょう。
プロの施術を検討:均一で美しい仕上がりを期待するなら、美容院でのプロによる施術をお勧めします。
髪と頭皮のケア:カラーリング後は、髪と頭皮を優しくケアする製品を使い、定期的なトリートメントで髪の健康を保ちましょう。
永久染毛剤を使用することで、長期間にわたって理想の髪色を楽しむことができますが、その分髪への負担も大きくなります。使用する際には、髪と頭皮の状態をよく考慮し、適切なケアを心がけることが重要です。
- ブリーチ(脱色剤)【医薬部外品】
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ブリーチ(脱色剤)は、髪のメラニン色素を化学的に分解して除去し、髪を明るくするための製品です。医薬部外品として分類されるブリーチ剤は、その安全性や効果に関して一定の基準を満たしていることを意味します。ここでは、ブリーチ剤(医薬部外品)の特徴、使用する際の注意点、および髪への影響について解説します。
特徴
色素の除去:ブリーチは、髪の自然な色を構成するメラニン色素を分解し、髪を脱色します。これにより、髪は明るい色(金髪やプラチナブロンドなど)に変わります。
医薬部外品の安全基準:医薬部外品として指定されたブリーチ剤は、人体への影響や安全性に関して、厚生労働省の定める基準をクリアしているため、一定の安全性が保証されています。
使用する際の注意点
パッチテストの実施:アレルギー反応や皮膚への刺激を避けるために、使用前には必ずパッチテストを行いましょう。
使用説明書の確認:ブリーチ剤は正しく使用しないと、髪や皮膚に損傷を与える可能性があります。製品に同梱されている使用説明書をよく読み、指示に従ってください。
保護具の使用:手袋を使用するなどして、皮膚への直接的な接触を避けましょう。また、換気の良い場所で使用することが推奨されます。
髪への影響
ダメージ:ブリーチは髪の内部構造に影響を及ぼし、ダメージを与える可能性があります。特に、繰り返し使用すると髪が乾燥し、切れ毛や枝毛の原因になることがあります。
アフターケアが重要:ブリーチ後の髪は特にケアが必要です。保湿や栄養を与えるトリートメント、ヘアマスクの定期的な使用で、髪の健康を保ちましょう。
まとめ
ブリーチ(脱色剤)【医薬部外品】を使用することで、理想の髪色への変更が可能になりますが、その過程で髪にダメージを与えるリスクも伴います。使用する際には、適切な手順を守り、髪への影響を最小限に抑えるためのケアを怠らないようにしましょう。また、不安がある場合は美容師に相談することをお勧めします。 - ヘアマニキュア(半永久染毛剤)【化粧品(染毛料)】
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ヘアマニキュアは、半永久染毛剤の一種であり、化粧品(染毛料)として分類されます。これは、髪の表面に色を付けることによって髪色を変える製品で、髪の内部構造に影響を与えることなく、比較的優しく髪を染めることができます。ここでは、ヘアマニキュアの特徴、メリット、デメリット、および使用上の注意点について詳しく解説します。
特徴
非浸透性:ヘアマニキュアは髪の表面にのみ色を付け、髪の内部には浸透しません。これにより、髪へのダメージを最小限に抑えることができます。
洗髪による色落ち:色持ちは永久染毛剤に比べて短く、数週間で徐々に色が薄れていきます。そのため、定期的な再染めが必要になります。
豊富なカラーバリエーション:鮮やかな色からナチュラルな色まで、幅広いカラーバリエーションがあります。
メリット
ダメージが少ない:髪の内部構造に影響を与えずに色を変えられるため、他の染毛方法に比べて髪へのダメージが少ないです。
色の変更が容易:洗髪によって色が落ちるため、気軽に色を変えたいときに適しています。
使いやすい:自宅で簡単に染めることができる製品が多く、初心者でも扱いやすいです。
デメリット
色持ちが短い:比較的色持ちが短く、定期的なメンテナンスが必要です。
白髪へのカバー力:白髪が多い場合、完全にカバーすることが難しい場合があります。
使用上の注意点
事前のパッチテスト:アレルギー反応を避けるため、使用前には必ずパッチテストを行いましょう。
正しい使用方法:製品に同梱されている説明書をよく読み、指示に従って正しく使用してください。
アフターケアが重要:色持ちを良くするためにも、カラーリング後の髪のケアには注意しましょう。カラーケア用のシャンプーやトリートメントを使用することが推奨されます。
ヘアマニキュアは、髪への負担を最小限に抑えつつ、気軽に髪色を楽しむことができる染毛方法です。髪へのダメージを気にせずに、色の変更を楽しみたい方に特にお勧めの方法と言えるでしょう。ただし、定期的なケアとメンテナンスを怠らないようにしましょう。
- カラートリートメント類(徐染性染毛料)【化粧品(染毛料)】
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塩基性染毛料は、髪に色合いをプラスし、つやと潤いを与えるヘアカラーリング剤の一種です。これにより、髪に負担をかけずに鮮やかな色を加えることができます。以下は、塩基性染毛料の特徴と特性です。
特徴と特性
染着部: 主にキューティクルと表面近くのコルテックスに染着します。髪の表面を覆い、やや内部にも色素が入り込むため、手軽に色合いを楽しむことができます。
効果の持続性: 一般的には5回連用で約1週間ほど色が持続しますが、これは商品によって異なる場合があります。
ブリーチ力: ブリーチ力はなく、元の髪の色を明るくすることはできません。髪の色に応じた色調を楽しむためのものです。
アレルギー: ほとんどかぶれないため、アレルギーのリスクが少ないとされています。
皮膚アレルギー試験(パッチテスト): 基本的に不要ですが、心配な方は念のため行うと安心です。
pH: 酸性であるため、髪にやさしく、ダメージを与えにくいのが特徴です。
染まり方: 染料は髪の表面とやや内側に染まるため、色が落ちる際も自然に薄れていくことが多く、メンテナンスが簡単です。
使用感とメリット
塩基性染毛料は、髪にツヤと潤いを与える成分を含んでいることが多く、使用後は髪がしっとりして見えます。さらに、pHが酸性であるため、髪に対する負担が少なく、カラーリング後も健康的な状態を保ちやすいです。
このタイプの染毛料は、ブリーチや永久染毛剤のような強力な化学反応を起こさないため、ダメージを最小限に抑えたい方や、気軽に色を楽しみたい方に適しています。
- 一時着色料【化粧品(毛髪着色料)】
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一時着色料は、髪に一時的に色素を付着させるヘアカラーリング剤の一種で、シャンプーをすれば簡単に色を落とすことができます。以下は、一時着色料の主な特徴です。
特徴と特性
染着部: 毛髪表面に顔料が付着し、髪をコーティングするように色を加えます。髪の内部には染み込まないため、ダメージがほとんどありません。
効果の持続性: 1回のシャンプーで落ちるため、一日だけのスタイルチェンジやイベントなどに最適です。
ブリーチ力: ないため、元の髪色を明るくすることはできません。髪の色に合わせて発色が異なります。
アレルギー: ほとんどかぶれないとされており、敏感肌の方でも安心して使用できます。
皮膚アレルギー試験(パッチテスト): 基本的に不要ですが、使用前にテストを行うとより安心です。
使用感とメリット
一時着色料は、スプレーやチョーク、カラーワックスなどの形態で提供されることが多く、髪に直接塗布することで簡単に色を付けられます。シャンプーで簡単に落ちるため、気軽に試せるのが魅力です。また、イベントや特別な日のスタイリングにぴったりで、髪を傷める心配がほとんどありません。
一時着色料は、髪へのダメージを極力避けつつ、カラーチェンジを楽しみたい方におすすめの選択肢です。 - クリームタイプと乳液タイプの違い
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ヘアカラー製品にはさまざまな**タイプ(剤型)**があり、用途や使い方に合わせて自分に適したものを選ぶことができます。以下に、各タイプの特徴を整理しましたので、参考にして、自分に合ったヘアカラー商品を選んでみてください。
ヘアカラーのタイプと特長
1. 乳液タイプ - 早染め乳液
特徴: 『髪になじみやすいので、ムラなく全体を染められる』
メリット: 髪全体に伸ばしやすく、スピーディに塗布できるため、均一な仕上がりが期待できます。セルフカラーリングにも便利です。
2. クリームタイプ - 早染めクリーム
特徴: 『小分けができて生え際もしっかり染まり、部分染めに適している』
メリット: 液ダレしにくく、染めたいポイントにしっかりと留まるため、生え際や部分的に染めたい方におすすめです。必要な分だけを使えるため、使い勝手も良いです。
3. フォーム・ムース・ホイップタイプ
特徴: 『スタイリング感覚で塗りやすい、気軽に染められる』
メリット: 手に出してそのまま髪に塗ることができるので、初心者でも簡単に全体を染めやすいです。ムラになりにくく、髪の量が多い方にも適しています。
4. 粉末タイプ
特徴: 『水に溶くだけで簡単に使える』
メリット: 小分けが可能で、必要な分だけ作れるため、部分染めに便利です。保存がしやすく、気軽に使えるのがポイントです。
これらの特長を考慮して、自分の髪の状態や染めたい範囲、作業のしやすさを重視して選ぶと、より満足度の高いヘアカラーリングが可能になります。
- 酸化染毛剤 (さんかせんもうざい)
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酸化染毛剤は、永久染毛剤の一種で、一般に「ヘアカラー」として知られています。このタイプの染毛剤は、通常2剤式で構成されており、1剤には酸化染料、2剤には酸化剤(通常は過酸化水素水)が含まれています。1剤と2剤を混ぜると、酸化染料と酸化剤が反応して発色し、髪を染める効果を発揮します。
多くの場合、1剤にはアルカリ剤も含まれており、これによって髪のキューティクルを開かせ、混合液が髪の内部に浸透しやすくなります。アルカリ剤と酸化剤の働きによって、髪のメラニン色素が脱色されるため、髪を明るくすることができるのです。このプロセスにより、酸化染毛剤は幅広いカラーバリエーションを実現し、発色性と色持ちの良さが特徴となっています。
ただし、酸化染毛剤は体質によってアレルギー反応を引き起こす可能性があります。使用する前には必ず**皮膚アレルギー試験(パッチテスト)**を行い、24~48時間経過後に皮膚に異常がないか確認することが推奨されています。これにより、アレルギー反応のリスクを減らし、安全にヘアカラーを楽しむことができます。 - 半永久染毛料 (はんえいきゅうせんもうりょう)
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半永久染毛料は、ヘアカラーリング剤の分類のひとつで、染毛剤と染毛料のうち、後者に含まれます。ヘアカラーリング剤は、「染毛剤(医薬部外品)」と「染毛料(化粧品)」に大別され、染毛料はさらに**「半永久染毛料」と「一時着色料」**に分類されます。
半永久染毛料は、酸性染料や塩基性染料を主成分としており、色持ちは永久染毛剤ほど長くはありませんが、髪への負担が少ないのが特徴です。これにより、髪を傷めずに色を楽しみたい方や、一時的なカラーチェンジを希望する方に適しています。
このタイプの染毛料には、ヘアマニキュア、カラーリンス、カラートリートメントなどの商品があります。これらは髪の内部に染料を浸透させるわけではなく、髪の表面や表層に色を付けるため、色落ちが早めで数週間から1ヶ月程度で徐々に薄れていきます。ただし、髪にやさしく、シャンプーのたびに色が自然に落ちるため、ダメージを気にせずに使用できるのが利点です。
半永久染毛料は、ヘアスタイルを気軽に変えたり、髪のダメージを避けたい方にとって、魅力的な選択肢といえます。 - 非酸化染毛剤 (ひさんかせんもうざい)
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永久染毛剤の中には、酸化剤を使用しないタイプのものも存在します。このタイプはオハグロ式とも呼ばれ、鉄と多価フェノールを使って毛髪を染める方法などがあります。この仕組みにより、髪内部に酸化反応を伴わずに色を付けることができます。
オハグロ式染毛剤は、酸化染料を使用しないため、髪色を明るくすることはできませんが、酸化剤を含む染毛剤でアレルギー反応を起こした方にとっては、使用できる可能性がある選択肢です。染色のプロセスは、髪のメラニン色素を脱色せずに染料を髪に結びつけることで色を付けるため、黒髪や白髪のカバーに適していますが、明るい色合いを求める場合には不向きです。
この染毛剤は、比較的髪や頭皮への負担が少なく、ナチュラルな仕上がりを得たい方や、敏感肌の方にも対応できる選択肢といえます。 - ブリーチ (脱色剤) (ブリーチ (だっしょくざい)
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ブリーチ(脱色剤)は、ヘアカラーリング剤の一種で、髪の色を明るくするために使用されます。ヘアカラーリング剤は「染毛剤(医薬部外品)」と「染毛料(化粧品)」に分類され、染毛剤はさらに「永久染毛剤」と「脱色剤」に分けられます。ブリーチはこの中の脱色剤に該当します。
脱色は、髪の内部にあるコルテックスに含まれるメラニン色素を分解することで、髪の色を明るくするプロセスです。メラニン色素は髪の色を決定する要因で、ブリーチはこの色素を化学的に分解することで髪を明るいトーンに変えます。
ヘアカラーは、この脱色のプロセスを行いつつ、同時に染毛も行うため、元の髪色より明るい仕上がりを得ることができます。ブリーチによってベースの明度を上げておくと、その後のカラーリングで鮮やかな発色や思い通りの色味を得やすくなります。しかし、ブリーチは髪にかかる負担が大きいため、使用する際には適切なケアが必要です。 - アミノ酸(あみのさん)
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アミノ酸は、細胞、ホルモン、酵素などを構成するために必要な非常に重要な有機化合物で、人間の身体にとって欠かせない存在です。髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)も、このアミノ酸から構成されています。具体的には、髪のケラチンは約20種類のアミノ酸でできており、その中でも硫黄を含んだアミノ酸の一種、シスチンを豊富に含むのが特徴です。
このシスチンは、髪の強度や弾力を支える役割を担っており、髪がしなやかでありながらも強く保たれるために重要です。アミノ酸は髪の健康や保湿をサポートし、ケラチンの構造を整えることで、髪が丈夫で美しい状態を維持するのに寄与します。 - 1剤 (いちざい)
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ヘアカラーやブリーチ剤は、複数の剤を組み合わせて使用することで髪を染めたり脱色したりする仕組みを持っています。そのうちの1剤は、2剤と混ぜて使用する重要な構成要素です。
ヘアカラーの1剤には、有効成分として酸化染料が含まれています。酸化染料は、2剤に含まれる酸化剤と反応することで発色し、髪に色を付ける役割を果たします。また、1剤にはアルカリ剤が多く含まれており、このアルカリ剤は髪のキューティクルを開く働きをします。キューティクルが開くことで、染料が髪の内部に浸透しやすくなり、染料が効果的に髪に定着します。
一方、ブリーチ剤の1剤には、有効成分としてアルカリ剤が含まれており、メラニン色素を分解して髪を脱色する役割を担います。ただし、ブリーチの1剤には染料は含まれていません。このため、ブリーチは髪を明るくするためのプロセスに特化しており、色を加えることはありません。脱色後の髪に別のカラーを入れることで、希望する色を表現することが可能になります。
このように、ヘアカラーとブリーチ剤の1剤は、それぞれの目的に応じた成分が含まれており、2剤と混ぜることで発色や脱色の化学反応を引き起こします。 - 一時着色料 (いちじちゃくしょくりょう)
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一時着色料は、ヘアカラーリング剤の分類のひとつで、特に短期間髪を染めるために使われます。ヘアカラーリング剤は「染毛剤(医薬部外品)」と「染毛料(化粧品)」に分けられ、染毛料はさらに「半永久染毛料」と「一時着色料」に分類されます。
一時着色料は、髪の表面に顔料(色素)を付着させることで、一時的に髪を染めるものです。これにより、髪に色を加えてスタイルを変えることができますが、シャンプーで簡単に落ちるという特徴があります。色の持続性は低いため、イベントや特別な日のスタイリングに適しています。
また、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の必要がないことも、一時着色料の利点です。染料が髪の表面に付着するだけで、髪の内部には浸透しないため、髪や頭皮に与える負担が少なく、比較的安全に使用できるとされています。敏感肌の方や、気軽にカラーチェンジを楽しみたい方にとって、一時着色料は手軽で便利な選択肢です。 - 医薬部外品 (いやくぶがいひん)
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医薬部外品は、**薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)**で定められた、医薬品と化粧品の中間的な分類です。これらは人体に対する作用が緩やかであり、一定の効果が期待される成分を含むものの、医薬品ほどの強い作用は持ちません。医薬部外品は、主に予防や改善を目的として使用される製品で、薬効成分が配合されています。
ヘアカラーリング剤の中では、ヘアカラーやブリーチがこの医薬部外品に該当します。これらの製品は、髪の内部に化学反応を起こして色を定着させるため、一定の効果が認められた成分が含まれていますが、作用は緩やかで比較的安全に使用できるものとされています。
一方で、ヘアマニキュアやカラートリートメント、一時着色料は、髪の表面に色を付着させたり軽く染めたりするもので、化粧品に分類されます。これらは、髪や頭皮に負担をかけにくく、シャンプーで徐々に落ちるように設計されているため、より気軽に使用できる製品です。
医薬部外品は、その中間的な特性から、日常的な使用において安全性と効果のバランスを求める方にとって便利な選択肢となっています。 - カラートリートメント (からーとりーとめんと)
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カラートリートメントは、髪を染めながらトリートメント効果も得られるヘアケア製品です。通常の白髪染めやカラーリングと異なり、髪に優しい成分が多く含まれているため、髪や頭皮へのダメージが少ないのが特長です。カラーリングの際に髪の乾燥や傷みを抑え、染めると同時に髪にツヤや滑らかさを与える効果があります。
カラートリートメントは、特に白髪をカバーしつつ髪の質感を保ちたい方や、カラーリング後の色持ちを良くしたい方に向いています。使い方も簡単で、シャンプー後の髪に塗布して一定時間放置し、洗い流すだけで色とトリートメント効果を得られます。継続的に使用することで、髪の健康を保ちながら美しい色を維持することができます。 - 白髪用ヘアカラー (しらがようへあからー)
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白髪用ヘアカラーとは、白髪を染めるために特別に設計されたカラー剤のことです。これにより、白髪を黒く染めて目立たなくしたり、白髪と黒髪を同じような明るい色に染めて、自然な仕上がりを楽しむことができます。白髪用のヘアカラーは、白髪をしっかりと染め上げるための染料と成分が含まれており、均一な色合いを作ることが可能です。
一方、黒髪用ヘアカラーは、一般的なカラーリング製品で、染める原理は白髪用と同じですが、色の調合や成分が異なるため、白髪をしっかりと染めることは難しいです。黒髪用は主に黒髪に色味を加えることを目的としているため、白髪を十分にカバーするには適していません。 - 希望色を使って白髪のカバー力を上げるにはどうしたらよいですか。
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● 1つ下のレベルの同系色を1:1でミックスする →この方法では、色の表現力(彩度)はほぼ変わらずに維持されます。ただし、明度はやや低下し、約0.5~1レベル暗くなります。
● 1つ下のレベルのB(ブラウン)をミックスする →この方法では、色の表現力(彩度)がやや低下します。明度もやや下がり、約0.5レベル暗くなるため、落ち着いたトーンの仕上がりになります。 - ホームカラーをされているお客様にヘアカラーをすると緑色になってしまいました。どうしてでしょうか。
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硫酸銀などの銀塩を配合した白髪染めヘアクリームは、白髪に繰り返し塗布し、日光に当てることで徐々に色をつけていくタイプの製品です。この種類の製品を使用して髪を染めていると、通常のヘアカラー(酸化染毛剤)を施しても緑色に発色してしまうという問題があります。さらに、この状態になった髪を脱色することは非常に難しいです。
もし髪が緑色に変わってしまった場合には、酸性カラーを使用することである程度はカバーできますが、完全な修復は難しいため、事前のカウンセリングでの見極めが非常に重要です。疑わしいケースでは、施術前に必ずストランドテストを行い、使用中の染料や仕上がりを確認することをお勧めします。 - ホームカラーとサロンカラー、どちらの方が痛む?
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一般的にホームカラーは、誰でも使用しやすく、一定の仕上がりを得られるように設計されているため、アルカリの量がやや多めになっていることが多いです。そのため、髪への負担が大きくなりやすく、乾燥や傷みの原因になることがあります。
一方で、サロンカラーでは、プロが髪のダメージ状態や髪質を見極めて、ローアルカリカラーや異なる種類の2剤を使い分けて施術します。これにより、髪への負担を最小限に抑え、より健康的で美しい仕上がりを実現できるため、ホームカラーよりも髪のダメージを抑えられることが多いです。 - ヘアカラー(酸化染毛剤)でかぶれたことがあっても、メーカーを変えれば大丈夫?
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ヘアカラー(酸化染毛剤)でかぶれた経験がある場合、メーカーを変えただけで問題が解決するとは限りません。かぶれの主な原因は、パラフェニレンジアミン(PPD)などの酸化染毛剤に含まれる化学成分に対するアレルギー反応や刺激によるものです。多くのメーカーが同じような成分を使用しているため、メーカーを変えても同じ反応が起きる可能性があります。
もしヘアカラーでかぶれたことがある場合は、使用する前に必ずパッチテストを行い、アレルギー反応がないか確認することが重要です。また、アレルギーや過敏な反応が心配な方には、酸性カラーやヘナなどの天然成分を使ったカラリング剤や、ノンPPDの製品を試してみるのも一つの方法です。専門家に相談することで、自分の肌や髪に合った製品を見つけることができます。