ヘアカラーリング剤の種類.
- ヘアカラーとブリーチの違い
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ヘアカラーとブリーチ剤は、共に髪の色を変えるために使用される美容製品ですが、その作用機序や目的に大きな違いがあります。ここで、それぞれの特徴と違いについて詳しく解説しましょう。
ヘアカラー
ヘアカラーは、髪に色を付けることを目的とした製品です。一般的に、ヘアカラーには「永久染毛剤」と「半永久染毛剤」の二種類があります。永久染毛剤は、髪のメラニン色素を部分的に除去した後、新たな色を髪の内部に定着させます。このタイプのヘアカラーは洗髪しても色が落ちにくいのが特徴です。一方、半永久染毛剤は髪の表面に色をコーティングする形で作用し、数回の洗髪で色が落ちていきます。
ブリーチ剤
ブリーチ剤(脱色剤)は、髪からメラニン色素を除去し、髪を明るくするために使用されます。ブリーチ剤を使用すると、髪の自然な色が抜け、金髪から白に近い色まで、様々な明るさの髪色に変化します。ブリーチは色を付けるのではなく、色を抜くことが目的であるため、その後に希望の色を入れるためのヘアカラーを施すことが一般的です。
ヘアカラーとブリーチ剤の主な違い
目的:
ヘアカラー:髪に新たな色を付ける。
ブリーチ剤:髪の色素を除去し、髪を明るくする。
作用機序:
ヘアカラー:髪のメラニン色素を部分的に除去したり、髪の外部に色を付けたりします。
ブリーチ剤:髪のメラニン色素を強力に除去し、髪を脱色します。
使用後の髪の状態:
ヘアカラー:希望の色に染め上げることができますが、髪へのダメージは比較的少ないです。
ブリーチ剤:髪を明るくできますが、髪へのダメージが大きいです。
持続性:
ヘアカラー:永久染毛剤では長期間、半永久染毛剤では短期間色が持続します。
ブリーチ剤:脱色した髪の色は、その後のヘアカラーで上書きするまで持続します。
ヘアカラーとブリーチ剤は、それぞれに適した使用目的があります。ブリーチを使用する際には、髪へのダメージが大きいため、事前にしっかりと髪のコンディションを整えたり、使用後は髪のケアに十分注意することが重要です。また、どちらの製品も正しく使用することで、希望の髪色を美しく表現することができます。 - ヘアカラーリング剤には5つの種類
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ヘアカラーリングにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴や持続性、目的に応じて選ぶことができます。ここでは、主に使われるヘアカラーリングの5つの種類について紹介します。
1. 永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)
特徴:髪のメラニン色素を除去し、新しい色を髪に定着させます。一度染めると、髪が伸びてきた部分以外はその色が持続します。
利用シーン:白髪を隠したい場合や、根本的に髪色を変えたい場合に適しています。
2. 半永久染毛剤(セミパーマネントヘアカラー)
特徴:髪の外部に色を付けるだけで、髪の内部の構造を変えません。数週間で徐々に色が薄れていきます。
利用シーン:自然な髪色に近い色に染めたい場合や、頻繁に色を変えたい場合に向いています。
3. 一時的染毛剤(テンポラリーヘアカラー)
特徴:シャンプーで簡単に洗い流せるタイプのヘアカラーで、イベントや特別な日のために一時的に髪色を変えたいときに使います。
利用シーン:コスプレやパーティーなど、短期間で色を楽しみたい時に適しています。
4. ハイライト・ローライト
特徴:髪の一部分にのみカラーリングを施し、髪全体に立体感や深みを出します。ハイライトは明るい色を、ローライトは暗い色をそれぞれ加える技法です。
利用シーン:髪にメリハリをつけたい、動きを出したい場合に向いています。
5. ブリーチ(脱色)
特徴:髪の自然な色素を化学的に除去し、明るい髪色にするための処理。ブリーチ後に、別の色を上から入れることで様々なカラーリングが可能になります。
利用シーン:鮮やかなカラーや明るい色に染めたい場合、特にダークな髪色から大幅に色を明るくしたいときに必要です。
これらのヘアカラーリング方法を理解することで、自分の求める髪色やスタイルに合わせて最適な選択が可能になります。ただし、どの方法も髪や頭皮にダメージを与える可能性があるため、製品の選定や施術には注意が必要です。特にブリーチは髪へのダメージが大きいため、プロの美容師に相談することをお勧めします。
- ヘアカラー(永久染毛剤)【医薬部外品】
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永久染毛剤(パーマネントヘアカラー)は、髪の色を長期間変更できるヘアカラーリング製品です。このタイプの染毛剤は、髪の内部に深く浸透し、メラニン色素を化学的に変化させることで色を変えます。では、パーマネントヘアカラーの特徴、メリット、デメリットについて見ていきましょう。
特徴
色の持続性:パーマネントヘアカラーは、名前の通り永久的に色が持続します。色は新しい髪が生えてくるまで、または別の色で染め直すまで変わりません。
白髪のカバー:完全に白髪をカバーし、均一な色に染め上げることができます。
色の変更幅:ダークな髪色からライトな髪色への変更も可能ですが、これには事前のブリーチ(脱色)が必要な場合があります。
メリット
長期間色が持続する:頻繁に染め直す必要がないため、手間とコストを節約できます。
幅広いカラーバリエーション:豊富なカラーバリエーションから選ぶことができ、個性的な色も選べます。
白髪をしっかりとカバー:均一で自然な仕上がりになり、白髪を気にすることなく髪色を楽しめます。
デメリット
髪へのダメージ:化学反応により髪の内部構造に変化を及ぼすため、髪が傷みやすくなります。
頭皮への刺激:使用する化学物質によっては、頭皮に刺激を感じることがあります。敏感肌の人は特に注意が必要です。
色の変更が困難:一度パーマネントカラーで染めると、色を抜くためには再度ブリーチをするなど、髪に負担をかける処理が必要になることがあります。
使用する際の注意点
パッチテストの実施:アレルギー反応を避けるために、使用前に必ずパッチテストを行いましょう。
プロの施術を検討:均一で美しい仕上がりを期待するなら、美容院でのプロによる施術をお勧めします。
髪と頭皮のケア:カラーリング後は、髪と頭皮を優しくケアする製品を使い、定期的なトリートメントで髪の健康を保ちましょう。
永久染毛剤を使用することで、長期間にわたって理想の髪色を楽しむことができますが、その分髪への負担も大きくなります。使用する際には、髪と頭皮の状態をよく考慮し、適切なケアを心がけることが重要です。
- ブリーチ(脱色剤)【医薬部外品】
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ブリーチ(脱色剤)は、髪のメラニン色素を化学的に分解して除去し、髪を明るくするための製品です。医薬部外品として分類されるブリーチ剤は、その安全性や効果に関して一定の基準を満たしていることを意味します。ここでは、ブリーチ剤(医薬部外品)の特徴、使用する際の注意点、および髪への影響について解説します。
特徴
色素の除去:ブリーチは、髪の自然な色を構成するメラニン色素を分解し、髪を脱色します。これにより、髪は明るい色(金髪やプラチナブロンドなど)に変わります。
医薬部外品の安全基準:医薬部外品として指定されたブリーチ剤は、人体への影響や安全性に関して、厚生労働省の定める基準をクリアしているため、一定の安全性が保証されています。
使用する際の注意点
パッチテストの実施:アレルギー反応や皮膚への刺激を避けるために、使用前には必ずパッチテストを行いましょう。
使用説明書の確認:ブリーチ剤は正しく使用しないと、髪や皮膚に損傷を与える可能性があります。製品に同梱されている使用説明書をよく読み、指示に従ってください。
保護具の使用:手袋を使用するなどして、皮膚への直接的な接触を避けましょう。また、換気の良い場所で使用することが推奨されます。
髪への影響
ダメージ:ブリーチは髪の内部構造に影響を及ぼし、ダメージを与える可能性があります。特に、繰り返し使用すると髪が乾燥し、切れ毛や枝毛の原因になることがあります。
アフターケアが重要:ブリーチ後の髪は特にケアが必要です。保湿や栄養を与えるトリートメント、ヘアマスクの定期的な使用で、髪の健康を保ちましょう。
まとめ
ブリーチ(脱色剤)【医薬部外品】を使用することで、理想の髪色への変更が可能になりますが、その過程で髪にダメージを与えるリスクも伴います。使用する際には、適切な手順を守り、髪への影響を最小限に抑えるためのケアを怠らないようにしましょう。また、不安がある場合は美容師に相談することをお勧めします。 - ヘアマニキュア(半永久染毛剤)【化粧品(染毛料)】
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ヘアマニキュアは、半永久染毛剤の一種であり、化粧品(染毛料)として分類されます。これは、髪の表面に色を付けることによって髪色を変える製品で、髪の内部構造に影響を与えることなく、比較的優しく髪を染めることができます。ここでは、ヘアマニキュアの特徴、メリット、デメリット、および使用上の注意点について詳しく解説します。
特徴
非浸透性:ヘアマニキュアは髪の表面にのみ色を付け、髪の内部には浸透しません。これにより、髪へのダメージを最小限に抑えることができます。
洗髪による色落ち:色持ちは永久染毛剤に比べて短く、数週間で徐々に色が薄れていきます。そのため、定期的な再染めが必要になります。
豊富なカラーバリエーション:鮮やかな色からナチュラルな色まで、幅広いカラーバリエーションがあります。
メリット
ダメージが少ない:髪の内部構造に影響を与えずに色を変えられるため、他の染毛方法に比べて髪へのダメージが少ないです。
色の変更が容易:洗髪によって色が落ちるため、気軽に色を変えたいときに適しています。
使いやすい:自宅で簡単に染めることができる製品が多く、初心者でも扱いやすいです。
デメリット
色持ちが短い:比較的色持ちが短く、定期的なメンテナンスが必要です。
白髪へのカバー力:白髪が多い場合、完全にカバーすることが難しい場合があります。
使用上の注意点
事前のパッチテスト:アレルギー反応を避けるため、使用前には必ずパッチテストを行いましょう。
正しい使用方法:製品に同梱されている説明書をよく読み、指示に従って正しく使用してください。
アフターケアが重要:色持ちを良くするためにも、カラーリング後の髪のケアには注意しましょう。カラーケア用のシャンプーやトリートメントを使用することが推奨されます。
ヘアマニキュアは、髪への負担を最小限に抑えつつ、気軽に髪色を楽しむことができる染毛方法です。髪へのダメージを気にせずに、色の変更を楽しみたい方に特にお勧めの方法と言えるでしょう。ただし、定期的なケアとメンテナンスを怠らないようにしましょう。
- カラートリートメント類(徐染性染毛料)【化粧品(染毛料)】
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髪に色合いをプラスし、つやと潤いを与える。
種類 塩基性染毛料
染着部 キューティクル及び表面近くのコルテックスに染まる
効果の持続性 5回連用で1週間(※商品によって設定異なる。)
ブリーチ力 ない
アレルギー ほとんどかぶれない
皮膚アレルギー試験(パッチテスト) 不要
pH 酸性
染料が髪の表面とやや内側に染まります。 - 一時着色料【化粧品(毛髪着色料)】
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一時的に髪に色素を付着させ、シャンプーで簡単に色を落とせる。
種類 一時着色料
染着部 毛髪表面に顔料が付着
効果の持続性 1回のシャンプーで落ちる
ブリーチ力 ない
アレルギー ほとんどかぶれない
皮膚アレルギー試験(パッチテスト) 不要
髪の表面に顔料が付着します。 - クリームタイプと乳液タイプの違い
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ヘアカラーの製品には、さまざまなタイプ(剤型)があります。用途や使い方に合わせて便利なものを選ぶことができます。
以下の表にそれぞれの特長を整理したので、これを参考にしながら、自分に合ったタイプの商品を使い分けてください。
ヘアカラーのタイプと特長
乳液タイプ 早染め乳液
特徴
『髪になじみやすいので、ムラなく全体を染められる』
髪全体にのばしやすいのでスピーディに塗ることが可能
クリームタイプ 早染めクリーム
特徴
『小分けができて生え際もしっかり染まり、部分染めに適している』
液ダレしにくく染めたいポイントにおさまるので、
生え際や部分的に染めたい方に特にオススメ
フォーム・ムース・ホイップ タイプ
特徴
『スタイリング感覚で塗りやすい、気軽に染められる』
手に出して直接髪に塗れるので、髪全体を染めやすい
粉末 タイプ
『水に溶くだけで簡単に使える』
小分けが可能で、部分染めに使うことができる - 酸化染毛剤 (さんかせんもうざい)
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酸化染毛剤とは永久染毛剤の分類のひとつで、一般にヘアカラーと呼ばれています。通常は2剤式で1剤中に酸化染料、2剤中に酸化剤を含んでいます。1剤と2剤を混ぜると酸化染料と酸化剤が反応して発色し、髪を染めることができるようになります。また、多くの場合、1剤中にアルカリ剤も含んでおり、アルカリ剤と酸化剤の作用で髪を明るくすることができ、幅広いカラーバリエーションと色持ちの良さが特長です。
体質によってはアレルギー反応を起こすことがあるため、使用の際には皮膚アレルギー試験 (パッチテスト)が必要です。 - 半永久染毛料 (はんえいきゅうせんもうりょう)
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半永久染毛料とは、ヘアカラーリング剤の分類のひとつです。ヘアカラーリング剤には「染毛剤(医薬部外品)」と「染毛料(化粧品)」があり、染毛料はさらに「半永久染毛料」と「一時着色料」に分類されます。
半永久染毛料は、酸性染料や塩基性染料などを主成分としたもので、色持ちは永久染毛剤に劣るものの、髪への負担が少ないヘアカラーリング剤です。
商品としてはヘアマニキュアやカラーリンス、カラートリートメントなどがあります。 - 非酸化染毛剤 (ひさんかせんもうざい)
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永久染毛剤の一種で、酸化剤を使用しないタイプのものです。オハグロ式とも呼ばれ、鉄と多価フェノールで毛髪を染めるものなどがあります。髪色を明るくすることはできませんが、酸化染毛剤でかぶれた方でも使用できる場合があります。
- ブリーチ (脱色剤) (ブリーチ (だっしょくざい)
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ブリーチ (脱色剤) とは、ヘアカラーリング剤の分類のひとつです。ヘアカラーリング剤には「染毛剤 (医薬部外品)」と「染毛料 (化粧品)」があり、染毛剤はさらに「永久染毛剤」と「脱色剤」に分類されます。
脱色剤は、毛髪内部のメラニン色素を脱色することで髪の色を明るくします。
脱色とは、毛髪内部のコルテックスにあるメラニン色素を分解し髪の色を明るくすることです。ヘアカラーは髪を脱色しながら染毛するので、元の髪色より明るく染めることができます。 - アミノ酸(あみのさん)
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アミノ酸とは、細胞、ホルモン、酵素などを形成する人間の身体にとって非常に重要な有機化合物です。
髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)は約20種類のアミノ酸から構成されており、硫黄を含んだアミノ酸の一種、シスチンを多く含むのが特徴です。 - 1剤 (いちざい)
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ヘアカラーやブリーチ剤を構成する剤の一つで、2剤と混ぜて使用します。ヘアカラーの1剤には有効成分として酸化染料が含まれており、多くの場合、反応を促進するためのアルカリ剤も含まれています。ブリーチの1剤には有効成分としてアルカリ剤が含まれており、染料は含まれていません。
- 一時着色料 (いちじちゃくしょくりょう)
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一時着色料とは、ヘアカラーリング剤の分類のひとつです。ヘアカラーリング剤には「染毛剤(医薬部外品)」と「染毛料(化粧品)」があり、染毛料はさらに「半永久染毛料」と「一時着色料」に分類されます。
一時着色料は髪の表面に顔料(色素)を付着させ一時的に染めるもので、シャンプーで簡単に落ち、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の必要はありません。 - 医薬部外品 (いやくぶがいひん)
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医薬部外品とは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で定められた医薬品と化粧品の中間的な分類で、人体に対する作用が緩やかなものです。ヘアカラーリング剤の中ではヘアカラーやブリーチなどが医薬部外品となります。
なお、ヘアマニキュアやカラートリートメント、一時着色料は化粧品に分類されます。 - カラートリートメント (からーとりーとめんと)
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カラートリートメントとは半永久染毛料の一種です。数回の使用により徐々に染まりますが、元の髪色より明るく染めることはできません。トリートメント感覚で使えるのが特長です。使用を止めると徐々に元の髪色に戻ります。
- 白髪用ヘアカラー (しらがようへあからー)
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白髪用ヘアカラーとは、一般に白髪を染めるために作られたヘアカラーを指します。白髪を黒く染めて自然に目立たなくしたり、白髪と黒髪を明るくほぼ同じ色に染めて白髪を隠しながら髪色を楽しむこともできます。
黒髪用ヘアカラーも髪を染める原理は同じですが、色の作り方が異なるため、白髪を十分に染めることはできません。 - 希望色を使って白髪のカバー力を上げるにはどうしたらよいですか。
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●1つ下のレベルの同系色の色を1:1でミックスする
→色の表現力(彩度)はほぼ変わりません。明度はやや下がります(0.5〜1レベル)。
●1つ下のレベルのB(ブラウン)をミックスする
→色の表現力(彩度)はやや下がります。明度もやや下がります(0.5レベル)。 - ホームカラーをされているお客様にヘアカラーをすると緑色になってしまいました。どうしてでしょうか。
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硫酸銀などの銀塩を配合した白髪染めヘアクリームを使用していたと思われます。これは繰り返し髪に塗布し、日光を当て、白髪を徐々に染めるものです。この種の剤で染めている場合、ヘアカラー(酸化染毛剤)で施術しても緑色にしか発色しません。しかも、脱色することは非常に困難です。緑色になってしまった場合、酸性カラーを使用することで、ある程度隠すことはできますが、カウンセリングでの事前の見極めが大切です。疑わしい場合は、必ずストランドテストを行いましょう。